しかも、頭痛まで起きたら、大抵は、風邪やインフルエンザを疑う方が多いことでしょう。
しかし、咳と頭痛が併発する病気は、その2つだけではなく、命にも関わる様々な病気があります。
では、命にも関わる咳と頭痛が併発する様々な病気はいったいどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、咳と頭痛が起きる6つの病気の症状と治療法についてご紹介していきます。
1. 「良性咳嗽性頭痛(りょうせいがいそうせいずつう)」の症状・原因・治療法
咳と頭痛が併発する病気として、良性咳嗽性頭痛というものがあります。
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ここからは、「良性咳嗽性頭痛」の症状・原因・治療法について説明していきます。
①良性咳嗽性頭痛の症状
咳やくしゃみや大笑いした事がきっかけで、頭の両側面に痛みが生じます。
40歳前後の男性に起こりやすいとされていますが、偏頭痛持ちの方は20~30代でも起こります。
痛みは1分くらい持続するという短時間のものです。
②良性咳嗽性頭痛の原因
咳をするとアセチルコリンと言う物質が分泌され、その物質によって血管が拡張します。
血管が拡張すると、周りの神経や頭蓋骨内が圧迫され、頭痛が起きるのではないかと考えられています。
③良性咳嗽性頭痛の治療法
良性と名が付いているように、咳による一過性の頭痛ですし、症状も短時間で収まるものですから、特に病院での治療は必要がないでしょう。
しかし、頭痛を抑えたい場合は、市販の鎮痛剤の中で「インドメタシン」という炎症を抑え、鎮痛作用がある物を服用すると良いかもしれません。
注意点として、咳による頭痛は、脳腫瘍や硬膜下出血などが原因となっていることもあるので、長引く時や、痛みがひどい場合などは、頭痛外来や脳神経外科を受診するようにしてください。
2. 「溶連菌感染症」の子供と大人それぞれの症状と治療法
溶連菌感染症も咳と頭痛が伴う病気の1つです。
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溶連菌感染症は、連鎖球菌による感染が原因となって発症する病気です。
子供に発症すると思っておられる方も多いですが、大人でも発症しますので、特に妊婦さんは注意が必要でしょう。
ここからは、「溶連菌感染症」の子供と大人それぞれの症状と治療法について説明していきます。
①子供の場合の溶連菌感染症の症状
溶連菌自体の感染によって、急性咽頭炎や扁桃腺炎が生じます。
発熱やのどの痛み、咳、かゆみを伴う全身の発疹、頭痛や腹痛、吐き気、口蓋垂(のどちんこ)に出血性の斑点、舌が赤くなるなどの症状があります。
②大人の場合の溶連菌感染症の症状
風邪に似たような症状です。
頭痛や微熱、咳、のどの痛みなどが生じます。
③溶連菌感染症の治療
溶連菌感染症は、風邪のように自然治癒はしませんから、病院へ行きましょう。
内科や耳鼻咽喉科で検査し、治療してもらえます。
抗生物質を1週間から10日ほど服用すると完治します。
症状が収まっても、自己判断で服用をやめないようにしましょう。
やめてしまうと、症状が再び悪化したり、リウマチ熱や急性糸球体炎などの合併症を引き起こしたりする危険があるからです。
3. 「硬膜下出血」の場合の症状と治療法
硬膜下出血は、硬膜とくも膜の間で起こる、出血や血の水たまりのような状態を指します。
転んで頭をぶつけたり、事故で頭を打ったりしたことが原因で起こります。
それでは、「硬膜下出血」の場合の症状と治療法について説明していきます。
①硬膜下出血の症状
頭を打ったりした後、2週間~3カ月後に起こるため、原因に気付きにくい場合があり注意が必要です。
頭痛や嘔吐、麻痺やしびれ、けいれん、咳、言語障害、意欲の低下などの症状が出ます。
②硬膜下出血の治療法
治療は一般的に手術が行われます。
頭蓋骨に小さな穴を開けて血液を流す手術を行い、大体1回で済むでしょう。
4. 「脳腫瘍」の場合の症状と治療法
脳腫瘍とは、脳に腫瘍ができる病気です。
良性と悪性のものがありますが、確率的には半々とされています。
ここからは、「脳腫瘍」の場合の症状と治療法について説明していきます。
①脳腫瘍の症状
脳にできた腫瘍が周りの脳組織を圧迫します。
そのため、頭痛、吐き気、嘔吐、咳、手足の麻痺、言語障害、視力障害、意識障害などの症状が出ます。
②脳腫瘍の治療法
脳腫瘍の治療は、腫瘍のある位置や進行具合により様々な方法が用いられます。
外科療法、放射線療法、化学療法、免疫療法といったものが代表的です。
脳神経外科での治療となります。
5. 「髄膜炎」の場合の症状と治療法
髄膜炎とは、脳を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが入り炎症を起こす病気です。
ここからは、「髄膜炎」の場合の症状と治療法について説明していきます。
①髄膜炎の症状
髄膜炎も風邪と似た症状で、高熱、頭痛、嘔吐、咳などの症状が出ますが、頭が割れるくらい頭痛が激しいとされています。
見分ける特徴として、首が硬くなり下を向くと首に痛みが生じるという点です。
ひどいと、意識障害が起きることもあり、命に関わるケースもありますから、風邪と間違えて放置しないように気を付ける必要があるでしょう。
②髄膜炎の治療法
入院治療になりますが、細菌性の髄膜炎の場合は、抗生物質の投与がされます。
また、無菌性の髄膜炎の場合は、ウイルスの症状への対処として、点滴や薬の投与がされます。
6. 「副鼻腔炎」の場合の症状と治療法
副鼻腔炎とは、いわゆる蓄膿症です。
鼻の両側の頬のあたりや、額にかけて人間の顔には空洞がありますが、そこが炎症し膿が溜まる状態のことです。
それでは、「副鼻腔炎」の場合の症状と治療法について説明していきます。
①副鼻腔炎の症状
風邪やアレルギーをきっかけとして起こりやすいです。
咳や黄色い鼻水、頬や額のあたりの痛みや重たい感じ、こめかみのあたりの痛みや頭痛が生じます。
②副鼻腔炎の治療法
耳鼻咽喉科での治療が必要です。
レントゲンを撮ると、膿が溜まっているかどうかを確認できます。
抗生物質などの投与や、鼻の奥を洗浄するなどの処置やひどい場合は、手術になることもあります。
まとめ
咳と頭痛が起きる6つの病気の症状と治療法についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
咳や頭痛が続いたら、風邪やインフルエンザ以外の病気も疑う必要があるかもしれません。
また、ここで挙げた以外の病気もありますし、最初は風邪やインフルエンザでもそこから、他の病気に移行し、症状が続くケースもあるからです。
病気はどんなものでも、早期発見、早期治療が最善ですから、重症化を防ぐためにも病院へ行くようにしてくださいね。